「やらされ感」から「所有感」へ。カワシモ型リーダーシップを身につける

「やらされ感」から「所有感」へ。カワシモ型リーダーシップを身につけるてにもつひとつで

photo:Running on the Beach! by JIGGS IMAGES

中学生のとき、毎年冬になると全生徒が10km走るマラソン大会がありました。

大会の直前にになると、体育の授業は学校の外を何周もジョギングするようになります。当時はそれがイヤでしかたがなかったのを覚えています。歩いたり、近道したり、1周目なのに2週走ったフリをしたり、どうやってサボろうかということしか頭になかった気がします。その頃は「走ること」は運動の中で一番嫌いなことでした。

そして20年以上たった今、自らすすんでジョギングしている自分がいます。この心変わりはなんでしょう?
『「見せかけの勤勉」の正体』という本を読んでいたら、その違いがわかってきました。

「所有感」と「やらされ感」

本書ではその違いを、「所有感」と「やらされ感」という言葉を使って説明しています。確かに中学の頃は、やさられてる感でいっぱいでした。

自分のものであるという感覚を心理学で「所有感」と呼ぶ。これこそが「やらされ感」の対極にあるもの。
所有感を持つと、いろいろなものを詰め込む。仕事の目標、やり方、あらゆることを考え、現実の中で仕事と結びつける。責任感も自ずとついてくる。
おおげさに言えば、所有感を持った仕事は自分の人生の一断面である。

川上ではなく川下で見ているリーダー

続いてこの本は「日本独特のやる気主義(根性が足りない!とか?)」と「欧米型の成果主義」そして「双方の失敗」を例にあげ、そのどちらでもない“自発的モチベーション型”のマネージメントの良さを、紹介しています。

歴史的な偉人のようなリーダーシップのある人よりも、「カーリングのスイーパー(ゴシゴシやる人)」のような、仕事を“川上ではなく川下で見ている”プレイングマネージャー型のリーダーが、これからは必要ということです。
もしかしたら、それは子育てにもあてはまるかもしれません。

欧米企業ではやる気をできる限り川下で評価しようとしているのに対し、日本企業では伝統的に川上で評価する傾向がつよい。客観性や公平性を尊重するより、気の持ちようや取り組み姿勢といった主観主義が優位にたっている。

同質性を基本にしたチームワークから、異質性を基本にしたチームワークへ、自分を殺すチームワークから、自分を活かすチームワークへ。

▼リーダーの3つの役割
1)部下が直面する生涯を取り除く
2)目標へ向かう動きを見定める
3)成果があげられるように支援する

最後に

それから、この本を読むと巨人の原監督のすごさもわかることと思います。「やる気のパラドックス」を理解している、数少ない監督なのだそうです。

以前読んだ『ヒトデはクモよりなぜ強い 21世紀はリーダーなき組織が勝つヒトデはクモよりなぜ強い』という本の内容に、通じるものがありました。
続けて一緒に読むと、いいかもしれません。